『浮浪雲』ドラマ版を観終える

ジョージ秋山の『浮浪雲』、連載終了か。
奇しくも、こないだ渡哲也主演のドラマ版を全話観終えたばかり。

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わざと当時(70年代)流行のアイコンを登場させ、「時代劇の皮を被ってるだけです」なスタンスを前面に出す。
その上で、暴力、性教育、モンペア、夫婦関係、母子関係、と、現代にも通ずる問題をコミカルに取り上げる。
原作はわざわざそんな手法は取っていないので、この辺はドラマ独自のアプローチだ。

よく言われるように、キャストは悉くハマっている。
当時の渡哲也はすっかりタフガイ役ばかりだけど、この役は珍しく飄々としていて、日活時代に少し戻った感じがある。
ただし、激昂した時や本気になった時だけ、粗い口調とドスの効いた声に戻る。この落差がたまらん。
特に、中村玉緒ゲスト回で志賀勝に忠告するシーンが最高。
川谷拓三演じる人斬り以蔵の剣を、軽く一蹴してしまうのも格好良い。
みんなから愛されつつもバカにされまくる桃井かおりの演技も毎回笑ってしまう。

ところで、宴会シーンで頻出する「みんなで輪を作ってぐるぐる回りながら歌う」という遊び。
全然面白くなさそうだけど一度はやってみたい。

『ズームアップ 暴行白書』 悪い意味で古臭い

風祭ゆき主演の日活ロマンポルノ『ズームアップ 暴行白書』を観た。
人気ラジオDJが暴走族に輪姦された事から日常が一変してしまう、というバイオレンス・ポルノだ。

映画自体は1時間でも長く感じるぐらいダルかったけど、風祭ゆきは美しかった。

『ズームアップ 暴行白書』(1981)
監督 藤井克彦
主演 風祭ゆき

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なんだろう。もっと過激な内容を想像していたのに、意外に大人しい。
80年代の作品のはずなのに、演出も画も悪い意味で古臭く、70年代の映画を観ている気がしてくる。
暴走族の乱痴気描写にしても、せっかくロマンポルノなのに岩城滉一の暴走族映画あたりと大した違いが無いのも不完全燃焼。
「まさかそんな無茶苦茶なオチはないだろうな」と持っているオチがそのままくるのも白ける。
明らかにレイプリベンジ・ムービーを意識しているだろうに、ラストのバイオレンスがしょぼすぎる。

映画自体はアレだったけど、風祭ゆきは本当に美人だなあ。
性的嗜好とは違う部分で、こういう顔の女、すごく好きなのだ。
実生活では、この手の顔の女には決まって蛇蝎のごとく嫌われるのだけど。

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『反逆のメロディー』 原田芳雄×地井武男

澤田幸弘監督の日活ニューアクション『反逆のメロディー』を観た。
原田芳雄の日活初主演映画らしい。
1968年のデビュー作『復讐の歌が聞える』から原田芳雄は既に原田芳雄の片鱗見せまくりだったが、2年後の作品ともなると殆ど後年との違いが無い。

『反逆のメロディー』(1970)
監督 澤田幸弘
主演 原田芳雄

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ボサボサ頭、無造作な体毛、ぶっきらぼう口調、ごんぶと眉毛、デカ揉み上げ、常に胸見せ。
後の映画と比べるとさすがにあどけなさは見えるものの、既に「草食」とは無縁の男性ホルモン溢れるスタイルでキメている原田芳雄。
この漢臭さを周囲の漢どもが放っておくはずも無く、色んな意味でモテまくる。
中でも熱を上げるのが佐藤蛾次郎と地井武男だが、特に地井武男がアツい。

「本当に“会いてえ”と思ったらな、1時間ぐらい前に来てしまうもんだ。…俺を見ろ。1時間待ったぜ」
台詞がハモればお互いにハニかみ合い、腕時計を交換して「11時15分、俺達はダチ公よ」と笑い合う。
終いには、梶芽衣子に抱かれながら原田芳雄の名を絶叫。
恋敵(?)の蛾次郎もかなり好演しているが、地井武男の情愛の前には霞んでいる。

ていうか、優作主演の『俺達に墓はない』って殆どこれのセルフリメイクみたいなもんじゃん。

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↑岩城滉一と志賀勝が優作を奪い合う話。ニューアクションとセントラルフィルムの違いを比べてみるのも面白い。

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『水戸黄門 助さん格さん大暴れ』 悪童2匹の漫遊記

アマゾンプライムで『水戸黄門 助さん格さん大暴れ』を観た。
月形龍之介の『東映水戸黄門シリーズ』の番外編的最終作で、若き日の助格コンビが黄門様と出会うまでを描いた前日譚だ。
助さんを松方弘樹、格さんを北大路欣也が演じている。

ポスターに描かれた若きコンビの溌剌とした表情に惹かれて観たが、中々の掘り出し物。
東映時代劇、しかも水戸黄門なんて…
と思って今まで敬遠していたけど、『東映水戸黄門シリーズ』も観てみようかなと思える1作だった。

『水戸黄門 助さん格さん大暴れ』(1961)
監督 沢島忠
主演 松方弘樹

水戸黄門 助さん格さん大暴れ

本作は助格コンビが水戸黄門と出会うまでを描いているため、通常のシリーズよりも若い設定であり、そのせいかかなりヤンチャ、というかほとんどゴロツキ一歩手前。
バカ大名共が乱痴気騒ぎをしている船を、半裸の二人が水中に沈めてしまう冒頭からして勢いマックス。
とにかく動的なシーンが多く、何か起きれば画面の中に大量の登場人物が登場し、それぞれが好き放題走り回ったり殴り合ったりする。
それに加え、背景美術や衣装は東映時代劇らしく煌びやかなので、画面の賑やか過ぎる情報量に圧倒される。

しかも、途中からは時代考証も無視され、野球だのブランコだのが平然と出てきてますますカオス状態に。
クライマックスは、城に乗り込んだ助格軍団が犬の群れをけし掛け、その状態で乱戦するというもの。
大量の武士達が一度に乱れ狂う殺陣そのものも非常に壮絶だが、その最中に敵共に犬をブン投げたり、乱戦中に犬を踏んづけたり蹴飛ばしたりしていて、倫理的にも凄いことになっている。
一応話の流れは「“生類憐みの令”に反抗する戦い」という体なのだが、だからってこれは…笑。
しかし、松方弘樹はこの頃から既に殺陣が上手いなあ。

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『いれずみ突撃隊』 慰安婦の描き方が珍しい

『恐怖奇形人間』DVD発売の記事を書いて思い出したけど、こないだ観た石井輝男の『いれずみ突撃隊』は中々良かった。
高倉健演じるヤクザが戦場で活躍する映画で、高倉健版の『兵隊やくざ』みたいなもんだ。

石井輝男はあまり好きじゃないけど、本当に何でも撮れる監督なんだなあ。

『いれずみ突撃隊』(1964)
監督 石井輝男
主演 高倉健

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高倉健のスター性で押し切るタイプの映画なのかと思いきや、そうでもない。
作中で最も輝くのは、スター高倉健ではなく、周囲を取り巻く慰安婦たちだ。
明るくやかましく、かつ深い悲しみを抱きながら、戦場を生き抜いている。
ちゃんと1人1人のキャラが立っていて、兵士達と同列の存在として描かれている。
(日本映画の戦争映画で名作は数あれど、意外とそういう映画は無い)
中でも、ムチムチボインの色気を振りまく三原葉子がとにかく活躍する。
今まで観た中で最上の三原葉子かも。

戦場アクションとしても結構力が入っていて、中盤の騎馬戦は中々の迫力。
戦争映画でこんなシーンは珍しいのでは。
最後は任侠映画のフォーマットに則って高倉健無双が始まるのかと思いきや、フンドシ姿に日本刀、「何発喰ったら倒れるか、気が済むまで撃ってみろコノヤロー!」という勇ましい台詞と裏腹に、フラついた足取りで戦場へ向かう高倉健からは死の臭いしかしない。
やっぱ仁侠映画のようにはいかないのね。

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Author:スギノイチ
アラサーダメ社会人。
最新映画もそれなりに観ますが、古い映画が好きです。
同じくらい漫画も好き。
怪獣好きだけど特撮好きではない。

勝新太郎信者、渡瀬恒彦主義者。
よって必然的に大映、東映ファン。
年代で映画を観てるつもりはなかったけど、気が付くと60、70年代の映画ばかり漁っている。

Filmarksもやってます。
https://filmarks.com/users/suprushken

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